読み聞かせって?

 小学校には、登校してから「朝の会」までの間に「朝自習」の時間があります。
 いったん教室に入ってから、担任の先生が職員室に行っている間の時間のようです。
 子どもの通う学校では、この時間を朝自習と呼んでいて、そのうちの月曜日と木曜日(学年によっては月曜日だけ)、PTAの有志が本を読んで聞かせることになっていて、これを「読み聞かせ」と呼んでいます。
 この時間にかれこれ6年くらい通いました。
 といっても2カ月に1回ぐらいのペースなので、それほど大変なことではありません。
 読み手を確保したり、学校とスケジュールを確認しながら割り振りを決めている事務局とも言えるお母さん方のほうがよほど大変です。

仕事の話は面白いらしい

 読む本は良識の範囲内であれば何を読んでも良いことになっています。
 低学年の間は昔話を読んでいましたが、3年になるころにはさすがに聞いたことのある話の方が多くなってしまいます。
 そこで、「わたしが選んだ職業」という、実際に仕事をしている人から、仕事の内容やなぜ自分がその仕事を選んだのかをインタビューした記事をまとめた本を読むことにしました。
 そうするとこれがなかなか好評です。
 終わった後に感想を求めると授業のようになってしまいそうなので、敢えて聞かないでいるので、どこが面白いのかは分からないのですが、子どもの友達のお母さんの情報などを総合すると次のような点がよいようなのです。
 1)やはり、現実味というかリアリティがあること。特に4年生になってくるといつまでも昔話ばかりというのでは飽きてくるそうです。
 2)へぇ~そんな仕事もあったのかというよりは、身近だった仕事の裏側の苦労や楽しさを知ることができる点も良いようです(読む職業は3つぐらい用意しておいて、その日に子どもたちに多数決で2つに決めてもらうことにしていますが、珍しい職業よりも聞いたことのある職業の方を選びます。といってもとても詳しく知っていそうなのは選びません。たとえば森林水源調査員というのは選ばれませんが水族館職員は人気です。しかしもっと身近なパン屋さんは選ばれないのですねぇ)。
 3)おとなへのあこがれもあるようです。おとなたちってどんなことをやっているんだろうなと思っているようです。これはひっくり返せば、おとなたちが家で仕事のことを話していないということを物語っているといえます。

いい本は少ない

 ところで、6年もやっていると、この本にでている職業も少なくなってくるし、さすがに飽きてくるのではないかと思って、本屋さんに代わりの本を求めに行きました。
 「わたしが選んだ職業」を買ったころもそうでしたが、、子ども向けの仕事の本は少ないです。
 あまり長いと読み聞かせに向かないという制約条件があるとはいえ、職業そのものを紹介したものが少ないのです。その意味でも「13歳のハローワーク」がでたときはすぐに買いました。
 ただ、残念なことに13歳のハローワークは、その名前の通りハローワーク的なんですよね。
 「こういう関心のある人はこの仕事」という切り口は、手がかりをつかみやすいと思いますが、その仕事の生き生きとした紹介にまでは残念ながらなっていません。膨大な量の職業を網羅しているのですから仕方のないことかもしれません。
 そうした点をインターネットの小学生向けの仕事紹介サイトは補っているのかもしれません。
 プロジェクトXの小学生版も売られていますが、写真がなければ通じないこと、長いことが、残念ながら読み聞かせ向きでありません。
 読み聞かせのお母さんがたは、朝の時間とは別に昼の大休憩の時にも長編を読んでいるそうです。今はハリーポッターを読んでいるそうですが、これとは別に、中島みゆきの地上の星を流しながらじっくり読んでみるのも良いかもしれません(「男たちは立ち上がった」というのはいただけないですけど・・・。なんで男ばっかり・・・)。

お父さんも学校へ行こう

 ところで、当時この小学校で読み聞かせに参加しているお父さんはどうやら私1人のようでした(今はどうなんでしょう)。
 読み聞かせの時間は朝8時15分から8時30分まで。
 10時には大手町や霞ヶ関、新宿辺りであれば到着することができそうです。
 朝のひとときを読み聞かせで過ごしてはいかがでしょうか?
 子どもたちは本当に真剣に聴いてくれますよ。
 こんなに話をまじめに聞いてくれて、しかも純粋に感謝してくれる人なんて、会社にはいないのではないでしょうか?